こんにちは、マリア=エルセーヌです。ルベリア出身の15歳!
専攻は《ダイヤ》、変化系魔法と魔法薬の研究を主に勉強するつもり。
今日は進級式なの。あ、でも1年生の入学式や3年生の編入式なんかもあるんだけどね。あれ?なんか見かけない人発見!編入生かな?
「こんにちは。その顔、やっぱ見ない顔だ。編入生でしょ?」
「 」
「じゃあ、マリアがこの学園の事、教えてあげる♪」
「 」
「遠慮しないで。ほら、こっち!」
三階建ての細長いH型の建物。渡り廊下の通る建物は2、3階が図書館になっている。
「ここは学習教室棟、1〜2年の間は殆どここしか使わなかったのよ。でも、この先はあんまり使う事ないかもね。特に《スペード》や《クローバー》の人は。ごく普通の講義形式の授業を受ける所なの」
「 」
「ここの図書館は一般書が多いかな?専門書は研究棟にあるそれぞれの研究書庫に収められてるから。じゃあ、次は研究棟ね」
4つの棟から成り、それぞれの建物に《スペード》、《ハート》、《ダイヤ》、《クローバー》の旗が掲げられている。
「ここが研究棟。でも専攻によって建物の規模が違うでしょ?《スペード》は極端に小さいよね。それに比べてあとの3つはどれも大きいでしょ?《ハート》は中に教会?神殿?どっちでもいいけど、そういう儀式を行う場所が設けられてるの。聖夜祭の時に帰省しないで残る人はここで聖夜のミサに参加するんだって」
「 」
「帰省?もちろんするよ!しない人もいるけどね。ここに来る時みたいに港から船でね。帰省の時にも転送ゲートを使わせてくれたら良いのにって思うよ」
「 」
「転送ゲート?魔法で色んな国の首都に転送してくれるの。学外演習の時にお世話になるんだけど、普段は閉鎖されてて使えないの。便利なのにね」
「 」
「演習は学内でもあるよ。実戦形式の時は森に入る事もあるんだって。森には魔物がでるんだよ。でも、学内に魔物は入って来れないの。対魔物用の結界が張ってあるんだ。主な演習は実技修練所を使う事が多いかな?」
道場風の建物からコロシアム、ドーム型などたくさんの施設が建ち並ぶ。
「ここが実技修練所」
「 」
「凄い充実してるよね。戦闘訓練のほかに運動なんかもここでするんだよ」
「 」
「あぁ、馬は乗馬に使うの。騎士には必須、でしょ?それにダンスや歌なんかの芸術系の実技もここに練習施設があるんだよ」
「 」
「じゃあ、最後に購買を案内するね」
本校舎の隣に建てられた円柱型の4階建ての建物。中に入ると色々な店が立ち並んでいた。
「1階は学習に必要なものを揃えてるの。本屋さんもこの階だね。2階が食べる系。寮の食堂に食べに行く事も出来るけど、ここで食べる方が多いかな。寮の方が遠いしね。ここのカフェ、『アンジェラ』のチョコレート・ケーキは最高に美味しいのよ!3階は生活必需品…まぁ、服とか服とか服…えっと、4階は基本的に生徒は入れないの。お酒を出すお店があるからなんだって。土曜の夜と日曜だけは入れるんだ。地下には食料品も売ってるよ。自炊したくなったらここで買うしかない!」
「 」
「バイト?あぁ、募集してるね。ここに入ってるお店で働くか、先生の助手になるか…演習で殊勲章狙うか、はたまたエンブレムになるか…まぁ、地道に働くのがベストよ」
「 」
「凄いでしょ、そのチラシ。通信販売するならここでチラシ貰って帰れば良いよ。オシャレなものは通販でしか早くGETできないからね」
「 」
「…どうしたの?何、このチラシ…『夏コミ、サークル申し込み用紙』?」
「 」
「シンジャで夏と冬に行われるフリマみたいなイベントらしいよ。良く知らないけど、本屋さんに訊いてみよっか?」
「 」
「何?遠慮しないで。マリアが訊いてあげる。すいませーん!」
「どうかして?」
メガネをかけた三つ編みの女性店員。
「このチラシなんですけど…」
「夏の締め切りはもうすぐよ。それより、毎月第3日曜に4階でイベントやってるから、待ち切れなくなったらそっちに参加したらどうかしら?」
「はぁ…」
「大手のものは委託してるけど…あ、学内本なら特設コーナーにたくさん置いてあるから。今の売れ筋は《スペード》K×Aかしら?」
「×って何をかけるんですか?」
「 」
「ちょっ…まだ話が途中なのにー」
本校舎。それぞれのホーム・ルームと講堂があるだけの2階建ての建物。
「そろそろ編入式の時間だね。マリアは進級式。一緒のクラスになれると良いね!」
BY氷高颯矢
会報にも掲載された学園案内話です。
読む人が案内されてる気分になってくれたら成功です。
マリアの名前は実はこれを考えてる時に、「マリ見て」を読んでいて、尚且つTVでエステ会社のCMが流れていたのでこんな名前になりました。
なんていい加減なんでしょうね(笑)